二度も三度も同じことやってられないから。忘れちゃいけないから。
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会社を辞めると上司に伝えてから2週間。この間、上司からその先(部長なり他の先輩なり)に話が伝わっていないことがわかった。僕は会社を辞められるんだろうか。
会社に入ったのは大学三年の春。当時はプログラミングのプの字もまともにできなかった自分に、インターンという形式でプログラミングを教わりながら仕事をさせてくれるとの大変ありがたいお話を頂き、四の五の言わず二つ返事で入ることにした。
誰が何と言おうと(技術者としては)右に出る者のないほど、すごいプログラマがいた。そんな人の下で、この人みたいな技術者になるべく修行できるなら、それほど嬉しいことはない。おまけに従業員もやっと二桁になろうかという小さな会社。やりたいことがあれば、とにかく挑戦させてくれるんだろうと思った。
ところが、である。在籍が少しずつ長くなり、それも昨年に入って決定的に理解したことがある。この会社にはどうもチャレンジャー精神というかベンチャー意識というか、ガツガツゴリゴリ新しいものを希求する気概がなかった。どんな新しいものを作りたいかとか、これまでの業界や既存製品の物足りないところはどこなのかとか、そういう話はついぞ一度もしたことがない。みな真面目に、黙々と作業に取り組む。誰もが軍曹でありながら、誰も指揮官にならない、戦場で行き場を失った部隊のようであった。
僕はベンチャーならではの勢いと進取の精神に憧れ、プログラマになることを夢見た。それはここにはなかった。このままでは自分が壊れる、そう思って年明け早々退社の意思を直属の上司に伝えた。その話は、上司のもとで止まったまま、いつまでも進展しない。
いろいろ理由はあると思う。上司曰く、今の経営者や部長は自分にずいぶん目をかけてくれているらしい。それはそれで自分としても嬉しい限りのお話ではある。しかし、「辞めます」といってからそんなことを持ち出されても…というのが私の心情。
今仕事が忙しいから、というのもある。だからもう少し残って、ということである。自分としては、今この瞬間に全くすっぱりと何もかもをやめるとは言っていない。むしろ、いつ退社になるのかを相談したいと話を持ちかけたのであって。その話をさせてもらえないのでは、なんのために早めに退社の意を伝えたのだろう。
私がだいぶやりたい放題だったので、せめてその子供臭いところを更正してから会社の外に出してやろう、という上司の心遣いもあるのかもしれない。なるほど確かに自分はやりたい放題であった。それがすべて、私が子供臭いから、と思っているのかもしれない上司は、本当に憎めないピュアでいい人でありすぎる。私はそこまで天真爛漫純真無垢で頭の中のことが全部顔に出るという人間ではない。むしろ、そう装っていた部分が大きい。私は狡猾であり、お人よしとは縁もないタイプの人間である。更正しようとしてくれているあらゆることが、そもそもの意図からして方向性が違ってしまっているのである。
ここへ持ってきての体調不良である。それも、ストレス性胃腸炎とのこと。きっかけは初めて飲んだ泡盛を調子に乗ってやりすぎたことであったが、いつになっても治らず診察を受けるとなるほど病状がよく説明できる。
吐き気があり、下痢をする。まともに物を呑み込めないので、身体はだるく、力の一つも入らない。何度も便意を催し、トイレに座り込んだところで出る物もない。しかし倦怠感は一流とくる。
早く、辞めることを具体的な形にしたいのである。自分には、まだまだまだまだやりたいことがたくさんあるのだ。こんなところでいつまでもへたっているわけにはいかないのだ。
何より、今までここにいて自分の中から失われつつある「挑戦する」ことの楽しさを、無鉄砲で野心に溢れて様々な色に染められてどんどん形を変えていくあの高温のガラス細工の造詣のようなチャレンジャースピリットを、私はなんとしてもつなぎとめていたいのだ。まだ、くたばるわけにはいかない。
大学院に行くということを、かくも否定的にとらえる彼らの目の奥に、私が希求する光を見なかった。私のいるべき場所はここではない。お互いのために。